ゆーたんのつぶやき

株式会社ノークリサーチにてIT関連のシニアアナリストとして活動しています。

BIからビジネスコクピットへ



ここ最近になって各ベンダーのBIへの取り組みが
再び活発化しているように感じています。


MS SQL Serverのように現バージョンの段階から
手軽なBI機能を盛り込んでいるものもありますが
ここ最近ではBI分野に新規参入する動きが目立ち
ます。「Enterprise Analytic Applications」
を発表したCRMSiebelや「Dr.Sum EA Visualizer」
をリリースした帳票のウイングアークテクノロジー
などはその最たる例です。より包括的な対応という
意味ではBEA Systemsが次々期Web Logic Platform
にて経営者を対象としたBI的要素を盛り込むことを
発表しています。


これらに共通するキーワードは「ビジネスコクピット
です。従来のBIでは特定の部門(マーケティング、製造
、購買、顧客サポートなど)の過去データに対して、
該当部署の管理者がデータを分析するという使われ方が
多かったように思います。
ビジネスコクピットが従来のBIと異なるのは
・利用対象は経営者層
・全部門のデータを包括した統一的なビューが求められる
・リアルタイム性が重要
といったことが挙げられるかと思います。もちろん従来
のBIでもこうしたニーズがなかった訳ではありませんが
製品を提供するベンダー側がこうした点を明示的にメッ
セージとして含めるようになったという意味では新たな
動きといって良いでしょう。


こうしたニーズを実現する際の技術的なキーとなるのは
「データベース」ではないかと考えています。ビューの
部分も重要ではありますが、むしろ大切なのはデータを
保持・集積する部分と考えています。
ポイントは
・異種分散データを如何にスマートに集積するか?
・リアルタイム処理にどれだけ高速に対応できるか?
ということではないかと思います。
従来のBIと異なるポイントとして単にデータ照会・分析
を行なうだけでなく、その結果に基づいて経営的な観点
から業務プロセスのパラメータをリアルタイムに変更す
るという利用方法も想定されます。そうなってくると、
従来のOLAP的なアプローチでは難しいのかも知れません。


個人的にはその部分ではOODBの活用が一つの切り口にな
るのではないかと考えています。OODBでは株価の変動に
応じて売り買いの処理を行なう(つまりデータを更新する)
といったリアルタイム処理を得手とするものがあります。
「ビジネスコクピット」のニーズを中心として、先に記述
したxfy technologyのような複合ビューやOODBを用いた
リアルタイムデータ処理といった新しいアーキテクチャ
が提案されてくると、また面白くなってくるかも知れま
せんね。