ゆーたんのつぶやき

株式会社ノークリサーチにてIT関連のシニアアナリストとして活動しています。

Mix06キーノート



ここ最近はバタバタしてます(☆☆;)
遅ればせながらMix06でのBill Gatesの
キーノート講演で気になったフレーズ
をメモってみました。


[Programmable Web]
RSSに関する話題の中で出てきたキーワードです。
Ray Oggieが進めているRSS拡張であるSSEなどで
MicrosoftRSSに対する取り組みを強化してます。
興味深かったのはRSSなどの技術によって、将来は
Webサイト同士或いはデスクトップアプリとサイト
があたかも一つのPC内のモジュールであるかの如く
互いを呼び出しあうようになるという展望です。
Webサービスも同様の概念ですが、デスクトップ
アプリが自身の機能の一部を外部のサイトが提供
するサービスを利用する形で実現するという形態
は今後注目されてくると思います。
例えば、エクセルの中から与信管理サービスを
呼び出した結果をセルに格納したり、種々の会計
処理の法的なルールの部分はあたかもRPCのように
サイト側のサービスに任せることで、法改正の際
にもデスクトップアプリ自体の更新は不要になる
ようにしたり、といろいろと応用できる場面は
ありそうです。


[Beyond the Browser]
リッチクライアントのアピールでは「ブラウザに
変わるもの」というニュアンスが多いですが、
ここではどちらかというとブラウザとは補完関係
にあるものとして語られていたように思います。
携帯デバイスの多様化はもちろん重要なポイント
ですが、ここで注目したいのは「デスクトップ」
です。Vistaではデスクトップ上に「サイドバー」
が置かれますが、ここに表示されている種々の
小粋なアプリケーションはいずれもWebを介して
通信を行うという意味では立派なWebアプリです。
実はリッチクライアントという観点でブラウザに
プラグインさせる形での技術が注目される裏側で
Yahoo! WidgetやDash Boardのようなデスクトップ
上にチョコンと置かれていて結構便利なアプリが
静かに普及しつつあります。リッチクライアント
の普及によって業務の大半がブラウザで遂行可能
な状況は可能だと思いますが、そうした場合でも
デスクトップは依然として存在します。すると、
リッチ化の後は「Webアプリとデスクトップとの
インタラクション」が重視されてくるはずです。
Vistaの「サイドバー」はそうした状況も視野に
入れての動きと捉えています。
ちなみにボクが所属するTommorroWEB事業部でも
クライアント側プラットフォームとしてEclipse
RCPを採用しているのはデスクトップ環境との
インタラクションが可能であるというのが一つの
大きな理由です。ブラウザのプラグインだけだと
ブラウザ内に閉じ込められてしまうのが難点です。
そうした意味ではスタンドアロンFlash実行環境
とされている「Appolo」は今後要チェックですね。


[Live Application]
一つ目のキーワードのようにサイト側サービスと
シームレスに連携できる状態を指した言い回しと
思いますが、ここで重要なのはIndigoによる統一
されたAPIの存在ではないかと思っています。
「エクスペリエンスの向上」というと、何かと
GUIの話題に偏りがちであるような気がします。
ですが、実際にはアカウント管理とか決済とか
セキュアなデータのやりとりとかいった裏方の
面倒な仕事もたくさんあります。こうした部分
をWebアプリでもデスクトップアプリでもAPI
統一された形で扱えればとても楽です。Java
そうしたAPIは整備されていると思っています。
エクスペリエンスの向上を目指す際には見た目
の部分だけでなく、そうした裏の部分も含めて
きちんと整備された基盤があるか?がベースの
テクノロジーを選択する上では重要なポイント
ではないかと考えています。
そういった意味でWPFだけでなく、Indigoも
Vista関連では要チェックの技術要素ですね。
ちなみに講演ではIndigoの新しい正式名称である
WCF(Windows Communication Foundation)でなく
「Indigo」と呼んでましたね。個人的にはWPF
WCFよりは「Avalon」や「Indigo」の方がカッコ
良いし、覚えやすいので好きでした。