ここ最近は仕事の方の引き合いが増えたこともあってバタバタしてます。
気分転換も兼ねて久々にサイエンスネタでも綴ってみようと思います。
先日、朝早くに出社したときに猫がストリートファイトをしてました。
甲「アオーン」(喧嘩の時は「ニャー」とは言わない)
乙「オオーン」
甲「ンギャ、ンギャ」
その後、交戦状態に突入....
ウチも猫好き一家で猫とは一緒の時間が長かったのでわかりますが、
鳴き方の声の高さとか長さとかで喧嘩の初期状態なのか、一触即発
のところまで来てしまっているかは何となく感じ取れます。
そう考えると下手に「言葉」でやりとりするよりも、そうした音声の
属性でもって状況を伝え合うほうが、より確実に相手に伝わるのかも
知れません。
クジラやイルカなどの海の哺乳類は音楽を使ってコミュニケーション
するそうです。「クジラの唄」などはその典型例で、音の高さや長さ
があたかも厳密な楽譜に沿っているかのようにきちんと決まっています。
天敵が襲ってきたり、自分の具合が悪いときのサインもあって、危険を
知らせる時は警戒音、病気で苦しいときにはいかにも辛そうな音を出し
ます。
人間の場合も「このままだと危険です」とか「お腹がとても痛いです」とか
言うよりも、不安を掻き立てるような音楽を聞けば心配になりますし、金属
がキーキーと擦れあう音を聞けば苦しくなったりします。そして、その方が
よりダイレクトに相手に自分の感触を伝え、共有できるような気もします。
「言葉」を話すというのは知能の高さの証拠の一つとされていますが、
適格なコミュニケーション手段という観点で見た場合には、必ずしも
ベストな方法ではないのかも知れません。
例えばボクは「真面目ですね」と言われるのはあまり好きではありません。
「真面目」という言葉には「型通りのことはきちんとやるけれども、応用
が効かない」みたいなイメージがボクの中にあるからです。勿論、それを
言った側はそんなつもりは全くなくて「物事を確実にこなす」という意味
で言ってくれているのは当然わかっています。ですがボクの中の辞書では
「真面目」の最初に出てくる解説文がそうなっているので、感覚的にそう
感じてしまうわけです。
上記の例は特に何の問題も起きない例ですが、この「辞書の違い」が誤解
やトラブルの種になることもあります。ですが、事前に相手の辞書内容を
把握するわけにもいきません。良かれと思って言った言葉が返って相手の
機嫌を損ねてしまうということは良くあることで、結果として当たり障り
のない無難なビジネストークを多用せざるを得なくなります。
そうした時に他の動物がやっているようにこちらの思いをダイレクトに
伝える手段があれば、案外とスムースに物事が運ぶのかも知れません。
(真意を敢えて隠さなければいけないことも時にはあるかも知れませんが、
ボクはそういうのはとても苦手だったりします...)
ビジネスの場では難しいかも知れませんが、上司と部下の間だったりと
いった場合にはお互いの気持ちや状態を本音で伝え合うことが大事だと
思うので、クジラやイルカが使っているコミュニケーション方法が案外
とマッチするかも知れないなぁなどと考えたりしています。
人間は「言語」の実現手段としてもっぱら「言葉」に頼っていて、それに
若干の「ジェスチャ(表情や身振り手振り)」を織り交ぜているくらいだと
思いますが、他の動物が使っている「言葉」以外のコミュニケーションの
方法を研究してみると、人間にとっても案外プラスになる面があるのでは
ないかと思っています。