ゆーたんのつぶやき

株式会社ノークリサーチにてIT関連のシニアアナリストとして活動しています。

GoogleとMySpace



GoogleがYahooを退けて、MySpaceと提携した件については
あちこちで取り上げられているかと思います。自社の検索
&広告サービス拡大の一環と見ることもできますが、今回
の動きはGoogleSNSに対するスタンスを考える上では1つ
のヒントにもなるような気がします。


SNSに関してはMySpaceの伸びがすさまじく、YahooやMSNも
最も注力しているポイントであることは周知の通りです。
その中でGoogleOrkutを持っていながらも、あまり力を
入れてこなかったように感じます。それはOrkutGoogle
の接頭辞が付いていないことからも伺えます。


一時期はあらゆるアカウントとデータを集積して巨大な
サービスの集合体を提供することを目指しているように
見えたGoogleですが、そうしたことを実現するには要とも
いえるSNSに関しての今回の動きを見ると、個人的には
テクノロジの提供に軸足を置いたスタンスを取ろうと
しているような印象も受けます。


Orkutだけでなく、Google Videoに対しては日本でも頻繁
に名前が出てくるようになったYou Tubeが登場するなど、
様々なカテゴリのサービスにおいて利用者数でGoogle
それを上回るものが出てきています。


そうしたことも踏まえると、Googleは今後は自社で直接
サービスを提供するというよりはそれらサービスの基盤
となるテクノロジを供給することに注力していくのでは
ないかと個人的には考えています。(Google Checkout
その良い例かと思います)


ちなみにここ最近でGoogleが提供するサービスが後発の
競合と比べて勢いの点で今ひとつであるワケなのですが
見た目や名称の印象が一要因であるような気がします。
Google *****」という名称はわかりやすいのですが、
何となく硬い感じがして、特に女性であればもう少し
キュートな名前が欲しいところでしょう。画面デザイン
もどちらかといえばソリッドでエンジニア的な印象を
個人的には受けます。
一方で最近伸びている競合各社は名称も親しみやすく、
おしなべて優しい見た目と操作性を持っているような
印象を受けます。


もしも本当にWeb2.0の条件として良く挙げられるように
アカウント(参加者)とデータを可能な限りたくさん集積
することを目指すのであれば、女性や子供あるいはお年
寄りを意識した作り方をしていく必要があるでしょう。


逆に考えれば、こうしたことはGoogleがどの方向性を
目指しているのか?を判断する材料にもなってきます。
サービス名称を刷新したり、画面のテイストが優しく
なったりといったことに注力するのか、それとも決済
や認証といった基盤サービスの提供に資産を投じるか
その辺りが注目すべきポイントではないかと思います。
現段階では後者の傾向が強いように感じますが、買収
や提携によって風向きが急に変わる可能性もあるので
いずれにしても今後も引き続き動向には要注目ですね。