ゆーたんのつぶやき

株式会社ノークリサーチにてIT関連のシニアアナリストとして活動しています。

六祖截竹図



年初めになるといつも眺める水墨画があります。
東京国立博物館に所蔵されている「六祖截竹図」です。


http://www.tnm.go.jp/jp/servlet/Con?pageId=B07&processId=02&colid=TA143


武者小路実篤の随筆の中で「竹を切る六祖」として
引き合いに出され、『万事があのように一心不乱に
自然に物事に取り組めれば良い』と実篤は評します。


この随筆を読んだときに想像したのはナタを大きく
振りかぶり、鋭い視線で竹を見つめる姿でした。
ところが、いざ実際の絵を見てみると、正直なところ
お爺さんがしゃがみ込んで竹の脇に生えている雑草
を刈っているようにしか見えませんでした。


毎年、事の始めには見るようにしているのですが、
現時点でも残念ながら実篤が感じたのと同じものを
汲み取ることができていません。
本当に実物を見れば(一般公開はされていないので)
また違うのかも知れませんが、そういう感じ方しか
できないというのが現在の自分のレベルなのだろう
と思います。
恐ろしく集中しながらも、傍目には歯を磨いたり、
お風呂に入ったりするのと同じくらい自然な物腰で
事を取り進める、そのような境地に達することが
できたら、きっと実篤が見たものをこの水墨画から
読み取ることができるのでしょう。


次にこの水墨画を見た時には、今とほんの少しでも
違うものを感じられるように日々精進していきたい
と思ったのでした。