ゆーたんのつぶやき

株式会社ノークリサーチにてIT関連のシニアアナリストとして活動しています。

MicrosoftのFast Search&Transfer買収



エンタープライズサーチ分野で多くの実績を持つ
Fast Search&TransferがMicrosoftに買収される
みたいです。日本でも楽天ぐるなび価格.com
といった有名サイトが既に採用をしています。


すぐに思いつくのはShare Point ServerやSearch
Serverの機能強化です。(Search ServerはShare
Point Serverのエンタープライズ検索機能を切り
出したもの)
Fastが提唱しているゼロタームサーチ(ユーザー
の履歴やプロファイルを参照して、従来よりも
短い検索キーワードで適切な結果を返す仕組み)
や豊富なコネクタ(特にレガシー系システム向け)
を取り入れることによって、Search Serverが
より魅力的な製品になることが期待されます。
個人的には無償版であるSearch Server Express
にコネクタ類がどこまで組み込まれるか?が注目
ポイントかなと思っています。


もう一つの重要な点はクライアント側検索です。
既にWindows Desktop Search/Windows Searchが
提供されていますが、これらはクライアントPC
でインデクシングを行うため、PCに少なからぬ
負担が掛かります。クライアントPC上で追加・
更新されたファイルの情報を検索サーバー側に
集積し、サーバー側でインデクシングをすると
いったことができたら、デスクトップ検索利用
も進むのではないかと考えています。その際に
ユーザーの操作履歴も加味できればゼロターム
サーチに一歩近づきそうな気がします。 (どこ
までクライアントPC内の情報を抽出するか、と
いうのはプライバシーの問題とも関わってきま
すが..)クライアント/サーバー双方のOSを持つ
Microsoftと豊富なコネクタ類を持つFastとの
合わせ技によるソリューションを期待したいと
思います。


また、オフィス内の様々なデータをセキュリティ
を担保した上で、社外から検索可能にするような
インターフェースを設けることも重要です。
そうすれば、企業がSaaSを利用した際に各SaaS
サービスが社内の情報を検索することができます。
そのための使い勝手の良いAPIが提供されることを
期待しています。


いずれにしても、エンタープライズサーチの今後
に大きな影響を与える買収であることは確かです。
今後の行く末をウォッチしていきたいと思います。