ゆーたんのつぶやき

株式会社ノークリサーチにてIT関連のシニアアナリストとして活動しています。

シンプロビジョニングのポイント



ストレージ利用率向上策として期待されている
シンプロビジョニングですが、利用率を極限まで
高めるためにはソフトウェア的なアプローチが
必要になってくるのではないかと考えています。


例えば、OSレベルのファイルシステムの特性が
挙げられます。Linuxでdfとduの結果が合わない
といったことはよくあります。アプリがログを
オープンしたまま削除したなどといったケース
です。もし、シンプロビジョニングをマネージ
する仕組みがdfの結果のみを見ていたら、空き
容量を無駄にしてしまう可能性が高くなります。
もちろんファイルシステムレベルでのファイル
の完全削除処理も同時に行う必要があります。


データベースであれば、プロビジョニング単位
(3PARData用語でいうところのチャンクレット)
はエクステントサイズ等とあわせておき、充当
のタイミングもデータベースの動きを踏まえた
ものにしておく必要があるでしょう。


このように考えると、シンプロビジョニングの
技術はH/Wの側面もさることながら、各アプリ
の特性を踏まえたS/Wの部分(OSや各アプリとの
連携)が重要な鍵になってくるのではないかと
考えています。


現在はどちらかというとH/Wからのアプローチ
が主流ですが、今後は大手のRDBERPベンダー
と特定ストレージベンダーの個別の密な連携に
よる実現例が出てくるような予感がしています。
そこでアプリ種別毎のプロビジョニング特性に
関するノウハウが蓄積され、標準的手法として
確立した後、S/Wベースのシンプロビジョニング
ソリューション(既にCoreDataのSANmelodyの例
がありますが)が大規模以外のユーザー層にも
徐々に浸透していくというのが理想的な展開
ではないかと思います。