ゆーたんのつぶやき

株式会社ノークリサーチにてIT関連のシニアアナリストとして活動しています。

情報系システムのSaaSは本当に伸びるのか?



TechTargetのSaaS連載第四回は情報系システムの
SaaS活用がテーマです。
http://techtarget.itmedia.co.jp/tt/news/0909/17/news01.html


グループウェアに代表される情報系システムはASP
形態での活用が早かったこともあり、SaaS形態への
移行が進みやすいと言われています。


確かにこの連載でも度々登場している「業務システム特性」
の観点ではSaaS形態への移行は比較的容易です。ですが、
肝心のユーザ企業は情報系システムについては現状維持で
問題ないと考えるケースが少なくないのです。


つまり、「SaaSへの移行は容易だが、その必要性をあまり
感じていない」ということになります。そのため、現状の
ままでは情報系システムにおけるSaaS活用は新規に起業や
事業所開設を行うケース、または長年使い込んである意味
レガシー化した比較的規模の大きなグループウェアなどの
運用保守をアウトソースする意味合いでのSaaS形態移行の
どちらかに限定されるのではないかと予想しています。


それだけではないSaaS本来のメリットを引き出すためには
情報系システム側にも変化が必要です。グループウェア
あれば、参照系APIを充実させることによって多種多様な
業務システムへの「入力フロントエンド」へと進化させる
といったことが考えられます。(この点については記事中
に図版も交えて詳説しています)


システムの観点からSaaSへの移行が容易だから移行を勧める
というのではなく、SaaSにすることによって得られる新たな
メリットを訴求していくことが大切ではないかと思います。