ゆーたんのつぶやき

株式会社ノークリサーチにてIT関連のシニアアナリストとして活動しています。

デスノート



ここのところ、土日もずっと仕事だったので少しはリフレッシュ
をしないといけないと思い、昨日は久々に映画を観にいきました。


どれにしようか迷ったのですが、物語の基本設定が
面白そうだったので『デスノート』にしました。


以下、ネタバレになってしまう可能性がありますので
これから観にいく方にご迷惑をかけないよう、本文は
少し下の方に書くことにします。




















まず全体的な感想ですが、とても思慮深く練られた映画でした。
ボクは原作は読んでおらず、予備知識ゼロの状態だったのですが
物語の筋はもちろん、デスノートの細かいルールについても自然
に把握することができました。


俳優陣もそれぞれ役にハマっていたと思います。藤原竜也クンは
以前から買っていましたが、さすがだなと思える演技です。『L』
を演じていた松山ケンイチさんという人は知りませんでしたが、
こちらも良い雰囲気が出ていました。


前半の『月』と『L』のIQ攻防戦では確率論を駆使する『L』の
頭脳のキレが光ります。後半はスリルが増す展開ですが、最後に
『月』の残酷とも思えるショッキングな行為があったりします。
心理描写が絶妙で、今から後半が待ち遠しいといった感じです。


個人的にはこういった『悪と背中合わせの正義』みたいな話は
好きだったりします。ジャンルは全く違いますが『デアデビル
を思い出しました。
『月』も『マット』も法律に関わる立場でありながら、法の限界で
野放しにされた犯罪者を自らの手で裁くという点では似ています。
ただ、『マット』は父を目の前で殺されたというトラウマが自身を
突き動かす原動力の一つであるのに対し、『月』の場合は自分は
正しいことをしているはずだという信念(というか思い込み?)と
『L』に負けたくないという敵対心が強く作用しているようです。
それは双方の恋人の失い方にも現れており、ラストの『月』の行為
は観客としても容易に受け入れられず、何故そこまでするのか?を
知りたくなります。その辺りは後半で描かれると期待しています。


ジャンプでの連載が原作ということもあって、周りは中高生だらけ
でした。原作とは変えている部分もあるらしく、原作に入れ込んで
いるらしい隣に座った女の子が上映中も相違点があるたびに不満を
ぶちまけていました。(そのおかげでボクは「ああ、ココは映画の
オリジナルなのね」ということが逐一確認できましたが^^) ですが
巷のレビューを見る限りは原作既読者にも概ね好評ですし、原作を
未読の観客でも問題なく物語の展開は把握できます。


人がたくさん死ぬ話なので、それが軽くなってしまうのが怖いですが
観客が人の死に慣れてしまわないようにという点についても至る所で
細かい配慮がされていたように感じます。


原作の単なるダイジェスト版で終わりがちなこの手の映画化の中では
脚本と演出の面ではかなり優れている作品ではないかと思います。


いつになくベタ褒めですが、久々に星五つをつけても良い作品でした。