ゆーたんのつぶやき

株式会社ノークリサーチにてIT関連のシニアアナリストとして活動しています。

AdobeのThermo



MAX2007が開催中ですが、Thermo
いう新開発ツールが話題になって
いるみたいですね。


http://labs.adobe.com/wiki/index.php/Thermo


PhotoShopなどで作成したイメージを
WYSWIG環境でのマウス操作でUI部品
に変換し、それをさらにMXMLとして
出力できるというもののようです。


イベントの定義やサーバーを必要としない
サンプルデータによる動作確認もできると
いうことで、リッチクライアント開発手法
に少なからず影響を与える存在になりそう
な予感がします。


特に期待できることは
1. クリエイターとデベロッパーの作業区分
  の一層の明確化
2. 本格的なリッチクライアントのGUIテスト
  ツールの登場
といったことではないかと思っています。


1.についてはクリエイターが定義したエフェクトに
デベロッパーがサーバーサイドとの連携ロジックを
書き加えるというフローがよりスムースになるわけ
ですが、重要なポイントは更新時の同期です。一度
作成したGUIにクリエイターが更新を加えても、GUI
部品がきちんとIDなどで管理されて、デベロッパ
が連携ロジックを再度入れ込む必要がないように
する仕組みが必要になります。TapestryのID属性の
ようなイメージかなぁと思っています。当然ながら
クリエイター側(ThermoがCSに組み込まれるのか?
も知りたいところですが)とデベロッパー側(Flex
Builder)という異なる開発ツール間でGUI定義情報
をきちんと橋渡しする仕組みも必要になってきます。


2.は単にGUIコンポーネント毎にサンプルデータを
設定できるだけでなく、一連の動作シナリオを定義
して、各コンポーネントが意図通り動作するか?を
サンプルデータに基づいてシミュレーションできる
ような仕組みが提供されたらいいなぁと思います。


いずれにしても、Thermo単独で閉じたものにならず
GUI定義情報をエクスポートする部分や、サンプル
データを入れ込んだり、テスト動作のイベントを
発火させたりといった部分がプラグイン的に外部
からいろいろとコントロールできるような設計で
あれば、リッチクライアントの開発手法に革新を
もたらすツールに進化できる可能性を持つのでは
ないかと期待しています。