ゆーたんのつぶやき

株式会社ノークリサーチにてIT関連のシニアアナリストとして活動しています。

WEBベースオフィスとP2PとJava



Microsoftホスティングサービスに乗り出すということで
SPPSやCRMなどがホスティングサービスとして提供されると
いうことが報じられています。ですが、話題の焦点はこれら
の製品群よりはOffice製品のサービス化にあるようです。
WEB2.0についてのエントリが多いRichard MacManus氏の
BlogでもMS Officeのサービス化の件が触れられており、
話題になっています。
http://blogs.zdnet.com/web2explorer/?p=41


こうなると気になってくるのが先日のSunとGoogleの提携です。
Googleがデスクトップ代替やMS Office代替となるサービスを
打ち出してくるのではないかという話は過去にもありましたが
Goolge単独では機能が多岐に渡るオフィススイートを提要する
のはさすがに難しかったのかも知れません。ですが、先の提携
によって、SunのStar OfficeとGoogleのサービスが結びつく
というシナリオもなきにしもあらずと言える状況になりました。
それが実現すればOSの束縛がない分だけ有利かも知れません。


さらにMicrosoft側でこの件に携わっているのが、Notes/Domino
の生みの親であり、Grooveの創始者でもあるRay Ozzie氏である
という点も無視できません。オフィスワーカーの各自のPC内に
存在している多種多様な文書をホスティングされたサーバー側
で管理することにはセキュリティ、バージョン管理、検索など
多くのメリットがあります。ですが、一方でデータが一極集中
することによるパフォーマンス劣化は否めません。それを軽減
する手段としてP2Pの技術をミックスすることは自然な発想とも
いえます。もしWEBベースのMS Officeが登場した場合、そこに
Grooveで培った技術が盛り込まれている可能性は高いのでは
ないかと予測しています。


一方でP2PJavaの関連について見てみると、JAXTAについては
最近はあまり聞かないような気がします。ですが、BitTorrent
Javaで書かれたクライアントであるAzureusを取り上げた記事
については見かける場面も徐々に増えてきました。とは言っても
BitTorrentプロトコルはサイズが大きなファイルにアクセスが
集中した場合に威力を発揮するものなので、ビジネス文書の授受
にどれだけ適しているかはしっかり考えないといけないですね。
Javaの性格を考えればP2Pとは相性が良いはずなので、JAXTAに
続く安全かつ高速なP2PJava仕様が登場してくれば、また展開
が面白くなってくるのではないかと思います。


いずれにしても
 「サービスベースのアプリケーション」というモノが現実味を帯びて
 きており、オフィス製品ということではSun&Google vs Microsoft
 いう構図になるかも知れない
という点と、
 サービス化によってビジネス文書が共有されるようになった場合にP2P
 技術が再注目されてくるのではないか
という点の二つを個人的には注目しています。
今回のJavaOneTokyoではP2Pを直接取り扱ったセッションはなさそうですが
上記の2点についてキーマンの皆さんがどう考えているのかをインタビュー
できたらいいなと思っています。