ゆーたんのつぶやき

株式会社ノークリサーチにてIT関連のシニアアナリストとして活動しています。

ソーシャルカレンダー「c2talk」



http://www.c2talk.net/rw/index.html
先日の日経産業新聞でも大きく取り上げられましたが
インフォテリアの「c2talk」のサイトがオープンした
ようです。


グループウェアには「スケジューラ」「ToDo」「日報」
といったようにカレンダーライクなGUIを持った個別の
アプリが多く存在しました。それらを単一のビューで
見せるための試みはいくつか存在しましたが、他社製
やユーザーの独自作成のものも対象にしようとすると
なかなか難しいという実情がありました。
ところがここに来て「マッシュアップ」という手法が
登場したことで、こうしたクライアント側での情報の
重ね合わせが標準的な技術を用いてできる土台が整備
されてきたといえるかと思います。


MicrosoftのLiveClipboardやZimbraのZimletAPIなどは
こうしたマッシュアップのための標準的な仕組みを提供
しようとする試みといえます。c2talkもある程度仕様を
公開して「c2アプリ」という独自アプリを作成できるよ
うです。


c2talkで注目なのはクライアントアプリケーション
である点ではないかと個人的には思っています。
マッシュアップをサーバーサイドで行うことによって
クライアント側はブラウザだけあれば良いという利点
がある反面、イントラ内に限定されたアプリを対象と
することが難しくなります。例えば、BlogLinesRSS
リーダーとして使っている場合、イントラ限定の社内
ブログのフィードも受け取りたいけれどできない、と
いったようなケースです。社内にプロクシ的な機能を
持ったサーバーを立てるという対処も考えられますが
個々のユーザーが手軽に社内外の情報を収集したいと
いったニーズに対しては少々大掛かりになりがちです。


c2talkのデモ画面を見る限り、個々のユーザーが社内の
仕事に関するスケジュールやToDoと合わせて、個人的な
予定や趣味に関する情報といったプライベートなものも
含めて全て一画面で閲覧できるという便利さを目指して
いるように思われます。
こういったニーズの場合にはクライアント側でのマッシュ
アップが適しているという一つの例として捉えています。


サーバー側とクライアント側のどちらでマッシュアップ
をするかというのはニーズや利用状況に応じて適宜選択
すべきものと思いますが、ここにリッチクライアントの
一つの活用場所があると考えています。
Javaにしても.NETにしてもクライアントアプリケーション
を配布する技術は既に存在しますし、各種ブラウザ向けの
Widgetも出てきています。こうした技術を使って、同一の
サービスであってもマッシュアップを行う場所を適宜変更
することで、クライアント側の環境(PC利用時と携帯利用
時の違い)やセキュリティ的な制約等に可能な限りフィット
した、より柔軟なサービスとコンテンツの活用ができるの
ではないかと考えています。