ゆーたんのつぶやき

株式会社ノークリサーチにてIT関連のシニアアナリストとして活動しています。

クラウドコンピューティング連載



クラウドコンピューティングに関する連載が
スタートしました。全三回の予定の短期連載
となります。


http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/0810/27/news008.html


第一回はクラウドコンピューティング
定義を明確にすることを目的としています。


クラウドコンピューティングがハードウェアや
アプリケーションの単なるアウトソーシング
異なる点は
1. 仮想化されている(隠蔽されている)
2. 膨大なリソースによるスケールメリット
の二つであると考えています。


連載では触れていませんが、上記から2.を除外し
1.によってもたらされる情報システムの迅速かつ
低コストな運用・管理の実現を目指したものが、
「企業内クラウド」や「ミニクラウド」であると
捉えています。


この意味で用いられる「クラウドコンピューティング
は「グリッドコンピューティング」から派生してきた
流れといえます。3teraの「AppLogic」がその代表例と
いえるかと思います。


AmazonGoogleに代表される1.と2.を共に満たす
クラウドコンピューティングが注目される一方で、
1.に着目した「企業内クラウド」についても今後
大企業を中心に様々な動きが見られそうです。


折りしも仮想化やグリーンITと絡んだ「サーバ統合」
も活発化してきています。仮想マシンイメージを動的
に配置することによる企業内クラウドの実現は仮想化
の延長線として議論されることになると思います。
その際に重要になるのはベンダに依存しない仮想環境
管理のためのプロトコルです。シスコシステムズ
「VN-Link」はそうした試みの一つといえます。仮想化
ハイパーバイザの競争が激しくなってきていますが、
「企業内グリッド」が注目されるにつれて、仮想環境
の管理面での競争も本格化していきそうです。


「企業内クラウド」という観点から仮想化やサーバ統合
を見つめなおしてみると、また新たな発見があるかも
知れません。