ゆーたんのつぶやき

株式会社ノークリサーチにてIT関連のシニアアナリストとして活動しています。

BEAとBlue Dragon



WebLogic上でBlue Dragonが利用できるようになりました。
http://www.bea.com/framework.jsp?CNT=pr01653.htm&FP=/content/news_events/press_releases/2006


Blue Dragonはご存知ない方も多いかと思いますが、CFMLで記述された
ページをJavaや.netに変換して実行することができるアプリケーション
サーバーです。つまり、Adobe(旧Macromedia)のColdFusionMXのクローン
であり、さらに.net環境でも稼動が可能なモノということができます。


BEAはここ最近は簡易なスクリプト言語によるサーバーアプリケーション
の開発という点に着目しているようで、現副社長であるBill Roth氏の
昨年夏の時点でのインタビューでもCFMLへの対応について言及がされて
いました。
http://news.com.com/2100-1012_3-5820062.html


今回の発表はこうした同社の方針を反映したものといえるでしょう。


CFMLについてはUSでは日本よりもずっと多くの適用事例があり、
それなりのポピュラリティを獲得しています。一方の日本では
以前にIBMが同様の戦略をWeb Sphereベースで展開しようとした
ことがありましたが、その時にはJSTLなどと比較した場合の
開発効率やコスト面での差別化を明示できなかった(と、ボクは
捉えていますが)こともあって、日本国内でも残念ながらあまり
普及しませんでした。


CFMLはもとより、Blue Dragonの国内での知名度はほとんどない
ことを踏まえると、今回のBEAの取り組みが国内で殊更に注目
されることはおそらくないだろうと思われます。


ですが、注目なのはBEAが様々な軽量言語への取り組みを始めて
いるらしいということです。
星暁雄さんのブログではRubyに関して何らかの発表があると
いうコメントを先のBill Roth氏が出したということが紹介
されています。
http://hoshi.air-nifty.com/diary/2006/04/bearuby_0171.html


オープン/商用を問わず、開発者にとって扱いやすい軽量言語
との組み合わせを提供するという同社の戦略が見えてきます。
さらに採用&アピールする軽量言語を各々の国や地域の特性に
合わせて変えるようにすれば、開発者側の支持をより得やすい
かも知れません。


Dev2Devを通じての各種ツールの無償提供などによって、以前
よりは身近になったBEA製品ですが、まだまだハイエンド感や
重厚感があったように個人的には感じています。軽量言語への
対応によってお手軽感をうまくアピールできれば、また新たな
展開も出てきそうです。