ゆーたんのつぶやき

株式会社ノークリサーチにてIT関連のシニアアナリストとして活動しています。

エンタープライズにおけるXML濃度



先日「CIO情報戦略会議2008 Search the Enterprise Value
に行ってきました。そこで「ConceptBase Enerprise Search」
についていろいろ勉強してきましたが、XMLを全面的に採用
した新しいソリューションになっていることに驚きました。


CB Enterprise Searchではインデクシングの際に検索対象文書を
コネクタを介してXMLに変換します。さらにインデックス自体も
XMLになっており、文書のメタ情報をキーとした文書種別を横断
した検索も自然な形で行えるようになっています。


一方、XfyではXML文書を一定のXMLエレメント単位(ワード文書
であれば章や節に相当する部分)に分解して管理し、それを適宜
組み合わせて新たな文書を作成することができます。この単位を
Xfyでは「文書ユニット」と呼ぶそうです。


文書ユニットという概念の素晴らしいところは、単なる再利用
だけでなく、データとその表示方法を分離できる点にあります。
Xfyでは「シングルインスタンスマルチビュー」と呼ぶそうです。
ウィザードで手軽に表形式表示を作成することもできますし、XSLT
を拡張した「XVCD」というスクリプトを使えばUMLのアクティビティ
図のような凝った表示もできます。


この二つのプロダクトを組み合わせると、社内に氾濫したオフィス
文書などをXMLに変換して構造化&検索可能とし、更に文書ユニット
という単位で配布や再利用するというシナリオが見えてきます。


ここまで来て頭に浮かんだのはWebサイトの世界で起きている動きとの
類似性です。


構造化されていないHTMLで記述されたWebページが氾濫していたところに
検索エンジンが登場し、検索エンジンが検索しやすい形にするためにWeb
コンテンツのXML化が進み、RSSによる配信手段が登場し、更にマイクロ
フォーマットによってコンテンツ部品が流通するようになったという一連
の流れです。


つまり、対比してみると

Webページ社内文書
GoogleCB Search Enterprise
RSSリーダー/ジェネレータXfy
マイクロフォーマット文書ユニット
といった感じになるかと思います。Webの世界でXML濃度(全コンテンツに占める
XMLコンテンツの割合)が増加しているのと同じ現象がエンタープライズの世界
においても起き始めているということなのかも知れません。


そうなるとWebの世界で起きた様々な事象が形を変えてエンタープライズ
の世界で登場してくる可能性もあります。いろいろ興味深い展開になる
予感がしますね。