ゆーたんのつぶやき

株式会社ノークリサーチにてIT関連のシニアアナリストとして活動しています。

JavaOne2006 WebCast(5/16)



JavaOne2006が開催中です。行きたいのは山々なのですが
リリース時期と重なってしまって、やむなくお留守番...


ゼネラルセッションのWebCastが配信されているので、
初日の内容の中で気になったところをメモしました。
http://java.sun.com/javaone/sf/sessions/general/index.jsp


【ゼネラルセッション】
ゼネラルセッションで気になったのは以下の二点です。
[Javaオープンソース化]
これは既に大きく報道されているので、多くの方がご存知かと思います。
ゼネラルセッションでのこの話題に関するJonathan Schwartz氏と
Rich Green氏のやりとりは上記のページの中の


「Sun General Session: Making Java Work for You 」
On demand webcast files:
Segment Two


と書かれているWebCastの一番最後のあたりで観ることができます。
「It isn't a question of whether but a quesion of how」と
Rich Green氏が言っています。(そこに至るまでのSchwartz氏の
ジョークも結構笑えます) この動きによってLinuxの各ディストリ
ビューションにJavaが同梱されるということも期待できそうです。
[.Netとのインターオペラビリティ]
一昨年のMicrosoftとの提携以来、Javaと.Netの相互運用について
いろいろ期待が持たれてきましたが、ここでWSIT(Web Service
Interoperability Technology)というものが発表されました。
.NetのWCF(Windows Communication Framework)との連携によって
Webサービスを手軽にかつセキュアに接続できるというものです。


個人的には今後の動きとしてWebサービスだけではなく、WCFとの
連携が網羅的にカバーされることに期待しています。Vistaでは
WCFWebサービスだけではなく、デスクトップのサイドバーに
配置されたウィジット間の通信手段としても利用されてきます。
Javaがこうしたデスクトップ上でのWCFによる通信までサポート
することができれば、.NetベースのウィジットとSwingやEclipse
RCPで開発したアプリケーションとが連携できることになり、
クライアントサイドでのマッシュアップが可能になってきます。
WSITは既に開発者向けのキットも用意されているようなので、
WCFのスタックのどの範囲までをカバーしているのかはチェック
してみたいと思います。この件については上記ページの中の


「Sun General Session: Making Java Work for You 」
On demand webcast files:
Segment Four


と書かれているWebCastで観ることができます。
ちなみにコードネームは「Tango」だそうで、バックでタンゴ
らしき音楽が流れてました(^^)


【テクニカルゼネラルセッション】
テクニカル面でのゼネラルセッションはBill Shannon氏による
JavaEE関連とGraham Hamilton氏によるJavaSE関連の話でした。
まず、JavaEEですが概ね既報の通りといった感じで、とりわけ
大きなサプライズはなかったように思います。
JavaEEについては上記ページの中の


「Sun Technical General Session: Java Platform Roadmaps:
 The Big Stuff, Today & Tomorrow 」
On demand webcast files:
Segment Two


と書かれているWebCastで観ることができます。
一方でJavaSEのDolphinについてはトピックが豊富でした。
以下に気になったものを列挙してみます。
[XML in java]
Javaコードの中にXMLリテラルを直接書くことができる
というものです。初回インストール時などにベースとなる
設定ファイルを生成したりするときには便利そうですね。


[Super Packages(JSR-292)]
パッケージを階層化して管理できるようになるようです。
例を挙げてみると、


super package jp.toweb.MyPackage {

//エクスポートするクラスを指定
export jp.toweb.hogehoge.*;

//このパッケージのメンバとなるパッケージを指定
jp.toweb.hogehoge;
}

といった感じになります。C++などにあるfriendsクラスの
ようなこともできるようになるらしいです。でも使う時は
しっかりと全体の構成を考えないと、後々はまりそうです。
[Beans Binding(JSR-295)]
Swing関連の強化ポイントの一つとして紹介されていました。
Java Beans間のプロパティを自動的にバインドしてくれる
というものです。XMLやDBからのデータを保持しているBean
とUIのモデルとなっているBeanの間で自動的に同期させると
いった利用例が挙げられていました。同一のデータが画面上
の複数個所に反映されるようなケースでは重宝しそうです。


[Java Module System(JSR-277)]
モジュールの依存関係などを管理してくれるもののようです。
具体的な内容は読み取れませんでしたが、JARファイルの依存性
やレポジトリを管理できるということで、開発時のバージョン
管理の手間などを軽減してくれるのであれば嬉しいです。


[Supporting Dynamically Typed Language(JSR-292)]
スクリプト言語や動的型付言語とJavaとの関係は継続して活発
に取り上げられている話題ですね。ここではJavaを開発言語の
中心的な存在と位置づけつつも(「Gold Standard」と表現して
いました)、適材適所で異なる言語を利用することは望ましい
ことだというスタンスが明確に示されました。それを受けて
今後はJVMバイトコードのレベルでスクリプト言語や動的型付
言語をサポートする試みを進めていくということです。


ここで今回最もインパクトがあったのが、VB.NETをNet Beansで
動かすというデモでした。CLRJavaバイトコードに変換してい
るのではなく、VB.NETのコードをJavaに変換しているのかな?
という感じがしましたが、いずれにしてもプログラマ人口の多い
VBJavaとの接点が出てきたというのは大きな一歩だと思います。


JavaSEについては上記ページの中の


「Sun Technical General Session: Java Platform Roadmaps:
 The Big Stuff, Today & Tomorrow 」
On demand webcast files:
Segment Three


で観ることができます。


二日目以降も気になったトピックについてはメモしていきます。