ゆーたんのつぶやき

株式会社ノークリサーチにてIT関連のシニアアナリストとして活動しています。

Real World Web



Gartnerが発表した2008年の注目すべき10のテクノロジー
の中に「Real World Web」というものがあります。


実世界をバーチャルで置き換えてるものとしてWebを
捉えるのではなく、実世界を補うものとして活用する
という考え方です。


GPSを使ってユーザーが今居る場所のリアルな情報を
伝えるといった例が挙げられています。日本で言うと、
「スグソコ」に相当するようなサービスですね。


技術が飛躍的に進歩もしくは普及しようとするタイミングでは
リアルをバーチャルで置き換えようとする試みが起き、その後
実世界をサポートする現実的なソリューションが出てくること
が多いように感じます。
1990年代後半にVRMLを使って電子商店街を作ろうとした試みは
まさにそれに当たります。その後、実際に訪れたのはWebの優れた
検索性やリコメンデーション機能に低コストと迅速性を両立した
物流システムを組み合わせて成功したamazonのような形態でした。


そうしたこれまでの経緯を踏まえると、今後は「セカンドライフ」のような
完全バーチャルより、「meet-me」のように実世界を元にしたスタイルの方が
普及しそうな気がします。話題のあるスポットの混雑状況を確認したり、
事件や事故があった現場に居合わすことで一層リアルに状況把握をする
ことができるといった感じです。場所だけでなく、時間軸も設定できると
一層応用が広がるかも知れません。


実世界に存在する場所や時間の制約をWebを使うことで補完或いは克服し、
実世界での活動をより豊かなものにするというのが「Real World Web」の
目指すところなのだろうと思います。