ゆーたんのつぶやき

株式会社ノークリサーチにてIT関連のシニアアナリストとして活動しています。

LUNARR ベータ版リリース



LUNARRのベータ版が公開されたので早速使ってみました。


LUNARRはドキュメント共有にメールがくっついた
ようなもので、各ドキュメントに対してメールの
やりとりを紐付けることができます。


メールにファイルを添付してやりとりするスタイルですと
やりとりをする度に添付ファイルを保存しなければならず
ドキュメントの版管理も煩雑ですし、そのドキュメントに
関するやりとりを一覧することも困難になります。それを
解決するのがLUNARRのスタイルを言えるかと思います。


ドキュメント画面を捲り帰す動作をすると、メール一覧画面
が表示されることから、ドキュメントを「表」/「Public」、
メールを「裏」/「Private」と称しています。


アップロードされたOffice文書はFlashに変換され、
ブラウザだけで使い勝手の良い閲覧が可能です。
Wordについてはワープロ機能で編集もできます。
(一部埋め込み画像が消えることはありましたが)


さらにベータ版では既存のメールアプリケーションと
LUNARRのメールの同期が取れるようです。(この機能
の呼び出し方がわからなかったので、後で確認します)


ここまで見て、ZCS(Zimbra Collaboration Suite)
との連携ができないかな、とふと思い立ちました。


ZCS5.0ではBriefcaseが導入され、受信したメールの
添付ファイルをワンタッチで自分のBriefcase(個人用
ファイルライブラリのようなもの)へ格納できます。


ですが、アップロードされたドキュメントとそのドキュメント
に関連するメールのやりとりの紐付けがないため、アップした
ドキュメントが孤立してしまうという悩みがあります。


また、現状のBriefcaseにはビューア機能がないため、
ブラウザだけでは閲覧できないという問題もあります。


そこで、
 ・添付ファイルをBriefCaseにアップした時には同時に
  LUNARRにもアップされ、メール自体はLUNARRの
  「裏」画面のメールとして同期される


 ・LUNARRの「裏」画面でやりとりされたメールはZCS側にも
  同期され、ドキュメント名のタグが該当メールに付加される


 ・ZCS側でLUNARRにアップされたのと類似タイトルの添付ファイル
  が付いたメールをZCSで送受信した時には添付ファイルの版管理
  を踏まえたアップと該当メールのLUNARR側への同期ができる


みたいなことが実現できると、


 ZCSにとってのメリット
  1.1 Briefcaseとメールの断絶をLUNARRが繋いでくれる
  1.2 Briefcase内のドキュメントをLUNARR上でブラウザ
    のみで閲覧(ものによっては編集も)できる


 LUNARRにとってのメリット
  2.1 ZCS既存ユーザーにLUNARRを利用してもらえる


といったことが期待できます。


ただし、1.2についてはLUNARRとしてはコアコンピタンスとは
考えておらず、あくまで1.1の部分がミッションであるという
コンセプトのようです。そういった意味ではLUNARR用ビューア
プラグイン基盤や既存ファイルライブラリ/メールとの同期API
といった連携の窓口がLUNARR側に用意されると、上記のような
ことがさらにやりやすくなるかも知れません。


メールGUIやドキュメントビューアといった部分はユーザーが
現在利用中のアプリに任せることで、


 ・ユーザーにとっては慣れ親しんだGUIを引き続き使える
 ・LUNARRにとってはドキュメントとメールを繋ぐという
  本来のミッションのみに専念できる


ということが期待できるのではないかと思います。


もっとも、既存のアプリケーションとの連携を高めるかどうか?
は技術的にできるかどうかよりも、むしろLUNARRのサービス
展開戦略によって決まることです。


個人的にはZCSのようにファイルライブラリとメールの両方を
持ちながらもそれらが断絶してしまっている悩みを抱えている
サービス/プロダクトは他にもあると思いますし、ファイル共有
とメールそれぞれ別のサービスを使っていて、それらの連携を
望んでいる個人ユーザー層も少なからずいると考えています。


それらのユーザーにいきなりLUNARRへスイッチさせるのではなく、
既存のツールやアプリを使いながら、LUNARRの「ドキュメントと
メールの繋がり」のメリットを享受できる仕組みを提供すれば、
LUNARRのユーザー数も早期に増加していくのではないかと個人的
には考えています。