ゆーたんのつぶやき

株式会社ノークリサーチにてIT関連のシニアアナリストとして活動しています。

天使の卵



先にも触れた村山由佳さんの小説の映画化。
小西真奈美=春妃」というキャスティング
がイメージにぴったりだったこともあって、
美しい映像になるに違いないと期待していた。


が、しかし..ちょっと原作をいじりすぎかも


歩太と夏姫のやりとりが多く、春妃を失って
からの後日談を新たにくっつけたのはボクと
してはしっくりこなかった。なんか、春妃の
ことが歩太の中では青春の1ページくらいの
軽いモノになってしまうような感じがした。


初めて二人が出会う満員電車のシーンももう
少し丁寧に描いて欲しかった。歩太が春妃を
必死にかばい、春妃が声に出さず口の動きで
お礼を言うところとか、原作が好きなヒトは
あの序盤の下りの描写を期待していたのでは
と思う(少なくとも、ボクはそう)


いつになく辛口の批評になってしまったが、
原作に思い入れのある全ての読者を完全に
満足させる映画化というのはそもそも無理
なので、映画は原作とは独立した別の物語
として観るべきなのだろう。


天使の卵」の指すものが原作と違っていたが
その点については映画の方が原作よりも印象的
だった。


天使の梯子」は読んでいない。10年経った
歩太が春妃のことをどう昇華しているのか、
それを続編という形で読んでしまうことに
ある種のためらいがあるからかも知れない。


でも、今回の映像化はある程度「天使の梯子
の要素も取り入れたようなので、読んだ後に
もう一度映画を観れば、全く違った捉え方が
できるのかも..やはり読んでみることにしよう。