ゆーたんのつぶやき

株式会社ノークリサーチにてIT関連のシニアアナリストとして活動しています。

気嚢システム



少し前にNHKで面白い番組を見ました。何故恐竜があれほどまでに繁栄したのか?
という点についての新しい学説に関するものでした。恐竜が栄えた時代には二酸化炭素
濃度が高かったのですが、同時に酸素濃度も現在よりかなり低かったのだそうです。
そうした低酸素濃度状態において、恐竜が活発に活動できたのは「気嚢システム」に
よるものだという説です。鳥には備わっているシステムだそうで、肺に空気を送る管
と吐き出す管が別々になっているために効率の良い酸素吸収ができるという優れもの
です。渡り鳥が長時間に渡って羽ばたいていられるのもこのシステムのおかげなんで
すね。


ボクが小さい頃には恐竜というのはトカゲとかワニとかといった爬虫類の仲間だと
教わった記憶があります。最近の研究ではむしろ鳥類に近い存在だそうで、恒温動物
であり、ある程度の年齢で成長で止まるといったように昔覚えたこととまるで正反対です。
まあ、新発見というのはそういうことの繰り返しなわけですが、そうすると今当たり前
だと思っている知識も実は間違っていたりするのかなぁとちょっと不安になったりもします。


この話にはさらに続きがあります。恐竜におびえながら細々と暮らしていた哺乳類の先祖は
低酸素状態を克服するために恐竜とは別の選択を取りました。それは肋骨を腹部から後退
させてお腹が十分大きく膨らむようにし、さらに横隔膜によって肺の収縮を補助するように
なったというのです。そしてこの身体のデザインが後の「胎生」へと結びついたのではないか
というのが現在の最先端の学説だということです。


低酸素状態を克服するという共通の課題にどのように対処したかによって、結果的には
それが子孫の残し方の違いにまで発展するんですね。とても興味深い番組でした。