ゆーたんのつぶやき

株式会社ノークリサーチにてIT関連のシニアアナリストとして活動しています。

BEAの今後



BEA Systemsが次期Web Logic Platform(コードネーム: Diamond)と
それに付属するビジネス統合基盤であるquicksilverのベータ版を来年
1月にリリースすると発表しました。


BEA e-Worldには毎年参加していますが、同じ独立系ソフトウエアベンダー
として個人的には応援したいと思っています。またCEOであるAlfred Chuang
氏の開発者の立場からの視点を強調したプレゼンテーションにはいつも共感を
覚えます。


quicksilverはWBI(WebSphere Business Integration)製品群に対応する
ものと理解しています。標準への準拠という意味ではIBM,Microsoft,BEA
3社でBPELへの合意は取れていますし、BPELJavaを利用する際に有効な
BPELJについてもIBMと共同歩調を取っています。IBMはコンサルテーション
も含めた上位層からのサポートをセールスポイントとしていますが、これに
対してBEAがquicksilverにおいてどのような差別化・優位性を唱えるかに
注目したいところです。


ですが、quicksilverの初期発表時点でCTOだったScott Dietzen氏は同社
を去ってしまいましたし、モバイル対応に関する画期的な手法であるとさ
されているAlchemyを打ち出したAdam Bosworth氏もGoogleへ移ってしま
いました。人材流出という点では同社の今後を不安視する意見もあるよう
です。勝手な推測ですが、quicksilverはともかく、Alchemyについては
XMLの大家であるBosworth氏が去ってしまったことで構想自体が頓挫して
しまう可能性もあるかも知れません。Alchemyについては詳細がまだ明ら
かにされていないだけに興味は尽きません。何とか実現して欲しいもので
す。


いずれにせよ、この難局を乗り切って独立系ソフトウエアベンダーの意地
を見せて欲しいなと思っています。