ゆーたんのつぶやき

株式会社ノークリサーチにてIT関連のシニアアナリストとして活動しています。

NTTコミュニケーションズ取材記事:DaaSについて



NTTコミュニケーションズ「データから見るICT」にて
調査データと併せて取材記事を掲載いただきました。


http://www.ntt.com/bizon/data/data_002_pc_001.html


記事中ではDaaSの有効性について触れられていますが、
DaaSが持つ運用管理の利便性(OPEXの削減)は大企業
ないしは中堅上位企業でないと享受することは難しいと
考えています。


中堅・中小企業においてもクライアントPC内のデータを
統合的に管理したいというニーズは確かに存在します。
ユーザ企業が望む実現手段は現段階では多岐に渡っており、
これが定番というものはまだありません。
一ついえることは新規ハードウェア投資(クライアント
だけでなくサーバ側も)を必要とするソリューションは
コスト面から敬遠されやすいということです。


既存のクライアントPCが利用でき、サーバ投資も不要
という点ではDaaSは一つの選択肢といえます。
ですが中堅・中小企業に受け入れられるにはDaaSの提供だけでは
不十分で、その上で稼働する動作保証された業務アプリケーション
セットも一緒に提供する必要があります。
なぜなら、自社で検証したりライセンスを管理したりするための
人的リソースがないからです。


こうした課題を解決する取り組みは一部ですでに進んでおり、
日立情報システムズの「Dougubakoなどはその代表例です。


現在、DaaSとして提供されているものの多くはブラウザのみで利用する
WebOSベースのものか、大企業企業におけるデスクトップ仮想化に
相当するもののいずれかに大きく分かれます。


前者では従来のデスクトップアプリケーションがそのまま使えず、
後者では自由度が高い一方でアプリケーションを自前で揃えないと
いけないという点が障壁になっています。


中堅・中小企業にDaaSでアプローチするためには
メジャーな業務アプリケーション(奉行シリーズなど)
をセットにしたメニュー構成が必要なのではないかと
考えています。