ゆーたんのつぶやき

株式会社ノークリサーチにてIT関連のシニアアナリストとして活動しています。

タイムマシンと記憶の関係



インフレーション理論で有名な佐藤勝彦博士の本を
良く読みます。相対論とか量子論などは昔から興味
があったので、その手の書籍はついつい手に取って
しまいます。
ボク自身は数学&数理科学が専攻でしたが、数学の
土台があるとどんなトピックでもとりあえず概略は
わかるので、数学を選んで良かったなと思ってます。


でもって、たまたまタイムマシンに関する最新著作
があったので息抜きに読んでみました。
相対論に基づく「時間の進みの遅れ」を利用すれば
結果的に未来に行くことは可能ですが、問題は過去
へ行けるか?ということ。
これについては諸説いろいろあるようですが、仮に
過去へ到達できるタイムマシンを発明したとしても、
それが発明される以前の過去に戻ることはできない
いうのが共通の見解のようです。


そこで思い出したのが、人間の記憶とタイムマシン
について論じていたどこかの記事。人間というのは
記憶の蓄積によって時間の流れを認識しているので
もし仮に過去のある時点に戻ったとしても、以前に
体験したのと似ている場面であると感じるだけで、
それを過去のある時点だと認識することはできない
だろうというものです。
「デジャヴ」というものがありますが、おそらくは
それと同じ感覚のことを指しているのでしょう。


人間というのは記憶そのものであると主張する人も
いるようで、たしかにそういう一面もあるようです。
多重人格障害を持つ人の脳を調べてみると、記憶を
つかさどる海馬にパーティションができているのが
確認できるといいます。
喩えが適切かどうかわかりませんが、複数のOSを
パーティションに分けてマルチブートしているのと
同じような構造になっているといえます。つまり、
記憶の中身が異なれば人格も異なるというわけです。


そもそも空間は三次元のいずれの方向にも自由に行き来
できるのに時間は一方向の流れしかありません。これを
物理学の範疇で説明しようとしているのが最近の宇宙論
ですが、もしかすると人間の脳の働きや認知の仕組みも
絡めて考えないと、本当に時間の流れを理解することは
難しいのかも知れませんね。