ゆーたんのつぶやき

株式会社ノークリサーチにてIT関連のシニアアナリストとして活動しています。

統合的な仮想化



仮想化の対象となるレイヤーはH/WからS/W
まで広範囲に渡りますが、ここ最近で注目
しているのがサーバーとストレージ各々の
仮想化を統合しようとする動きです。


とは言っても、VMWareがEMCに買収されてからも
目立った動きがなく、今年5月になってようやく
「Control Center6.0」でVMWare対応エージェント
が提供されるという状況でした。


ここ最近、その風向きが変わってきた感じがします。
Xen SourceとSymantec(実質上はそれに買収された
Veritas)との提携でサーバーとストレージの統合的
な仮想化への取り組みが本格的に始められました。


http://www.xensource.com/PressReleases/Pages/pr072307.aspx


ちなみにXen Sourceの現CEOであるPeter Levine氏は
Veritasの元幹部だったりもします。


そして、さらにCitrix SystemsによるXen Sourceの
買収ということで、プレゼンテーションレイヤーも
含めたさらに広範囲な仮想化が期待されてきます。


MetaFrameのようにクライアントプログラムを
サーバー側で実行するシンクライアントの場合
サーバーリソースを如何に効率的に運用するか
はとても重要なトピックで、その意味でも今回
の買収はサーバー側の仮想化のみならず、シン
クライアントソリューションにも大きな影響を
与えるものと思われます。


しかしながら、ストレージの仮想化はH/Wコスト
が高くつくのが難点です。仮想化に必要な処理
をファブリック、ストレージアレイのいずれに
やらせるにしても相当な投資となります。


これについては個人的にはOracleRACのように
グリッド的な発想でサービスレベルで仮想化を
行うソリューションに期待しています。もちろん
RACは上記で述べている仮想化とは若干性格が
異なりますが、動的にリソースを追加できると
いう点でストレージの負荷増大に対処する手段
としては似たような方向性を持つ面があります。


OracleRedHatまで含めたトータルサポートの
実施を宣言しており、RHEL5からXenがサポート
されます。RHEL5 on XenRACを組み合わせた
ソリューションをOracleが提供することも十分
有り得るシナリオのような気がします。


これに加えて、MicrosoftLongHornでは
ハイパーバイザー型である「Viridian」
を搭載してきます。(ベータ提供が遅れて
いるみたいですが)


ということで、仮想化ソリューションはサーバーと
ストレージの統合という流れも含めて、当面は熱い
状態が続きそうです。リソースの最適化は恒常的な
課題ですので、引き続きウォッチしていきます。